義務教育で留年?
橋下市長、小中学生の留年検討を要請 (TBS )
大阪市の橋下市長がまたも大胆な提案です。小学生と中学生でも、学力が目標のレベルに達しない場合、「留年」させることを検討するよう市の教育委員会に要請しました。教育関係者や保護者に波紋が広がっています。 次々に独自のビジョンを示しては良くも悪くも大きな反響を呼びます。時には物議を醸すこともめずらしくありません。22日夜、大阪市の教育委員会との意見交換会に臨んだ橋下市長。この場で、小中学生でも目標の学力レベルに達していない場合、わかるまで教えようと「留年」も検討するよう求めました。義務教育課程でも進級できなくなることもあるというのです。 「学力的に追いついていかない子をどうするか、留年なんてできるのかなと思って」(橋下徹大阪市長) 現行の法律でも校長の判断で留年させることは可能です。ですが、実際には長期間の欠席などで保護者が希望した場合などに限られています。小中学生の子どもを持つ保護者からは反論一色でした。 「頑張ることを諦めてしまうような体制になってしまうとどうなのか。できる子はどんどん伸びていけばいいが、ダメな子が諦めて努力もしなくなるような」(保護者) 橋下氏が小中学生の留年を持ち出したのは教育評論家の尾木氏の新聞のインタビューがきっかけでした。この中で、尾木氏は「留年させても府民の子どもの力をつけてもらうというのを橋下さんが出してきたら僕は大喝采します」と提言しています。しかし今、当の尾木氏は困惑しています。 「僕は驚いた。びっくり仰天」(教育評論家 尾木直樹氏) 尾木氏が困惑する理由は、自分の発言が突然取り上げられたからです。 「留年してでも子どもにきちんと学力をつける。これからの社会を生き抜く学力保証をきちんとやり切る」(教育評論家 尾木直樹氏) この尾木氏の主張に共感する形で、今回「留年」の導入を提案しました。一方、尾木氏も、やり方によっては小中学生の留年導入は教育現場の競争を激化させる可能性があると懸念します。 「教育基本条例の流れから言うと『競わせて切り捨てていく』みたいなトーン。留年というものも学力がつかなかったらもう1年勉強させるぜとか、ペナルティーというか、プレッシャーみたいな形になりかねない」(教育評論家 尾木直樹氏) 22日夜、橋下氏はこう話しました。 「わかるレベルの授業を受けさせてあげるという当たり前のことやればいいだけ。尾木さんの言っていることがどうであれ、苦痛な授業を受けさせることが子どもにとって1番よくない」(橋下徹大阪市長) 突然、打ち出された小中学生の「留年」問題。今後、多くの議論を呼びそうです。 |
大阪市の橋下徹市長は22日、小中学生が目標の学力水準に達しない場合、進級を認めず留年させることを検討するよう市教委に要請したことを明らかにした。同日開かれる市教育委員との意見交換会で協力を求める。義務教育課程での留年は法的には可能だが、実際の運用はほとんどない。 市役所で報道陣の質問に答えた。橋下市長は、20日の読売新聞夕刊のインタビュー記事で、教育評論家の尾木直樹氏が学力の底上げ策として、小中学校での留年を提案したことに賛同する考えを示し、「学んだかどうかに関係なく進級させることで、かえって子どもたちに害を与えてしまっている。理解できない子にはわかるまで教えるのが本来の教育だ」と述べた。 義務教育での留年は、現行法でも学校長の判断で可能だが、学校現場からは「子どもへの精神的影響も大きい」との声がある。 |
というか、小中学校って「各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当たつては、児童・生徒の平素の成績を評価して、これを定めなければならない」の? 正直、知らなかった・・・、この文言って事実上死文化していないか?
フランスなどでは義務教育課程の公立学校で留年する例はあったと思う。サルコジ大統領も義務教育で留年経験があった気がする。
ただ、義務教育の留年というのが横並び意識が強い日本の風土に馴染むのだろうか・・・。敢えてやるとすれば、公立中学において中学3年生の卒業のみ成績不良の留年を導入してはどうだろうか? 正直言って、ひきこもりで中学校に1日も通わずに中学校卒業資格を与えるのは問題があると思う。