新党大地の北海道議会議員選挙

2011年4月の北海道議会議員選挙での新党大地鈴木宗男が直接擁立に関与した候補を見てみましょう。

《道議選ルポ》(4)生き残りかける大地朝日新聞 2011年04月09日)


■草の根選挙展開 根室市

鈴木宗男が誰よりも信頼を置いている。力を貸して欲しい、戦って欲しいと出馬を要請したんです」

5日夜、根室市で歌手の松山千春氏は、遠藤輝宣氏の集会で声を高めた。

松山氏は新党大地命名者で、現在収監中の党代表、鈴木宗男衆院議員と「心友」であることは知られている。力を込めた後、松山氏は「(遠藤さんの応援は)塀の中からの(鈴木氏の)指令ですよ。すごいでしょ」と沸かせた。


市議長も務めた遠藤氏は新党大地の発足と同時に自民から移り、大地の根室支部長を務める生粋の「大地の子」だ。

収監前の昨年10月、鈴木氏が立候補を強く要請。大地直系として、議席獲得への陣営の思いは強く、ムネオ流の「草の根選挙」を展開する。

一方、再選を目指す自民現職の松浦宗信氏は1日の出陣式で、「大震災で混乱する日本、道内、根室市の被害も大きい。こういう時こそ道政の継続、安定が必要なんです」と実績を強調した。

2候補は同年齢、同じ中学、高校の出身で、もとは同じ自民党同士。支持層が重なる部分が多く、地縁、人脈が複雑に絡み合う。

■ムネオ票が左右 帯広市

道議選告示日の1日。帯広市内で開かれた山崎泉氏の出陣式には、松山氏に加え、鈴木氏の妻典子さんの姿があった。

「(山崎氏は)秘書として8年間、夫を支えてくれた。大震災で大変な時。優しさや人情を知っているはずなので、それを道政の場でいかして欲しい」と、夫人はマイクで訴えた。

松山氏は大震災に対する道の対応を巡り「道議会の皆さんの顔が見えない。そんな中で山崎は必ずやってくれる(候補だ)」と支持を呼びかけ、持ち歌の「大空と大地の中で」のワンフレーズまで披露した。

2003年から市議を務めていた山崎氏の立候補も、鈴木氏の意向が強く働いている。党代表が不在の間、大地の党勢維持と拡大が課せられた「命題」で、「勝てる候補は山崎氏しかいない」と、白羽の矢が立った。

自転車で市内を回る山崎氏は、大地のイメージカラーである緑色のネクタイをしていない。運動員たちのジャンパーもピンク色だ。推薦を受ける民主への気遣いから、無所属を強調しようと緑色を避けているという。

定数3の帯広市は前回、自民の清水誠一氏と小野寺秀氏、民主の三津丈夫氏の3現職で無投票。今回も同じ顔ぶれで当初は無風ムードが流れていた。しかし、鈴木氏による擁立で一転、激戦に変わった。

衆院の旧中選挙区時代から残るムネオ票の行方が左右する。

■新顔 激戦に拍車 釧路市  

釧路市内で4日夜、開かれた山崎晃氏陣営の集会。「山崎氏の選挙は新党大地の戦い、鈴木宗男の戦いです。山崎候補はまさに新党大地の公認候補です」。鈴木氏の収監後、代わって繰り上げ当選した浅野貴博衆院議員は声を張り上げた。

収監される2日前の昨年12月、釧路市の自身の集会で鈴木氏は「道議選に勝つため皆さんの支援をお願いします」と、元市議の山崎氏を一番に紹介した。

この「立候補表明」で、釧路市は激戦に拍車がかかった。選挙戦では、民主の橋本豊行氏、自民の小畑保則氏、公明の戸田芳美氏の現職3氏に加え、自民の笠井龍司氏、共産の松永俊雄氏の新顔2氏が立ち、大地と国民新の推薦を受ける無所属の山崎氏が、主要政党に挑む。

鈴木氏が出所してくるのは約1年後。鈴木氏を知るある道東の政治家は、今回の道議選について「(議席を取れるか取れないか)新党大地にとって分岐点となる選挙だ」と話し、生き残りをかけた戦いとみている。

結果はどうでしょうか?
選挙区順位候補者票数
帯広(3人区)1位当選小野寺秀(自民)1万8923票
2位当選三津丈夫(民主)1万8747票
3位当選山崎泉(大地)1万7768票
4位落選清水誠一(自民)1万6840票
釧路(4人区)1位当選小畑保則(自民)1万9787票
2位当選戸田芳美(公明)1万6056票
3位当選橋本豊行(民主)1万3498票
4位当選笠井龍司(自民)1万2550票
5位落選松永俊雄(共産)1万0290票
6位落選山崎晃(大地)0万9985票
根室(1人区)1位当選松浦宗信(自民)0万7761票
2位落選遠藤輝宣(大地)0万6727票
帯広で大地が当選してしまいましたね・・・。自民党の票の分散がうまくできれば、落選できたものを・・・。


民主、逆風・亀裂に苦心 道議選朝日新聞 2011年4月12日)


新党大地は前衆院議員の鈴木宗男代表が収監前に直接擁立にかかわった釧路、帯広、根室の3人の直系候補のうち、帯広の山崎泉氏が自民現職を破り、道議会では初めての議席を得た。「代表不在」(代表代行・浅野貴博衆院議員)でも存在感を示した格好だ。


浅野氏は「代表の政治理念がたたき込まれている。道議会で存分に活躍して欲しい」とエールを送った。民主会派に加わるかどうかについて、浅野氏は「検討中」と述べるにとどめた。


釧路市で落選した山崎晃氏は、推薦を受けた大地の全面的な支援を受けた。当選ラインに2500票ほど届かなかったが、選対関係者は「大地の力は見せつけることができた。代表が戻るまで守っていかなくては」と語り、「ムネオ票」の結束を確認するきっかけになったもいえそうだ。

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