重要調書が否定されたけど…

重要調書不採用、衝撃の検察 客観証拠で勝負産経新聞 2011年9月24日)


立証の柱だった供述調書が証拠採用されなかった陸山会事件。検察庁内部では「ここまでの不採用は特捜部初」と衝撃が走り、論告も修正を余儀なくされた。「無罪」の可能性も指摘されるが、それでも検察幹部は「客観的証拠で有罪は立証されている」などと強気の姿勢を崩していない。

「威圧的な取り調べや利益誘導があった」

東京地裁は6月30日、検察側が証拠申請した調書計38通のうち、石川知裕、池田光智両被告分の計11通について、取り調べの任意性を否定して不採用を決定。政治資金収支報告書の虚偽記載について大久保隆規被告や小沢一郎氏に報告し、了承を得たとする調書も含まれていた。

特に大久保被告と石川被告らとの共謀関係を示すのは供述だけで、検察側は窮地に立たされた。7月20日の論告は「推認される」などの遠回しな表現を多用せざるを得ない内容となり、弁護側からは「少なくとも大久保被告は無罪」との声も上がった。

ただ、検察幹部は「調書の採否は関係ない。客観事実だけで立証ができる」と自信をのぞかせる。大久保被告についても西松事件の調べの中で、収支報告書作成について「報告を受けた」などと話したことから、検察幹部は「『知らなかった』は通じない」とする。

大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件以降、逆風にさらされる検察庁

別の検察幹部は「重要な調書が不採用となったことは、裁判所の検察調書への姿勢が一変したことを意味する。今回の判決は今後の検察捜査を占うものにもなるだろう」と分析している。

裁判で重要調書を否定されたとなると大久保についてはもしかしたら無罪判決がでるかもしれない。しかし、実務を担当した石川と池田については完全無罪はないだろうと思っている。
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