特例公債法案や外交日程なんか気にせずにとっとと菅を下ろせ

【民主漂流】「菅降ろし」8月困難 閣僚集団辞任論も…産経新聞 2011年8月6日)


月内の「菅降ろし」に黄信号がともり始めた。菅直人首相が「退陣3条件」の一つに挙げている特例公債法案の成立が8月下旬にずれ込む見通しとなったためだ。

加えて、22日から24日にかけて米国のバイデン副大統領が来日することも確定。民主党執行部は21日か28日に菅首相の後継を決める党代表選を実施するシナリオを描いていたが、実現は闇夜に針の穴を通すほどに難しい。

「21日の代表選は現実味がなくなった。28日も難しい…」

民主党幹部は5日、月内の首相退陣に悲観的な見通しを示した。「9月上旬に短期の臨時国会を開き、首相指名選挙を行うことになるのでは」とも語ったが、実はそれすら実現する保証はない。

党執行部が当初、描いていたシナリオはこうだ。

退陣3条件のうち残る2つの特例公債法案と再生エネルギー特別措置法案を5日に衆院通過させ、お盆明け早々の成立を図る。首相の退陣条件を整えた上で、地方議員が上京可能な日曜日にあたる21日か28日に代表選を実施する−。

だが、5日の衆院本会議は見送られ、もくろみは外れた。参院自民党が両法案の審議に難色を示しているため、「成立は26日になる」(民主党幹部)との見方も出始めている。

5日には、首相にとって格好の続投理由となりうる外交日程も決まった。

「バイデン氏は菅首相と会談する。9月前半の首相訪米は、首脳が調整を行うことで一致しているが、実務的に調整している」

枝野幸男官房長官は5日の記者会見で、副大統領来日は「菅首相」が応対するが、9月訪米は新首相の仕事−との考えをにじませた。しかし、首相にとっては、外交の継続を建前に「反菅」の動きを封じることも可能だ。

首相の会期内退陣を主張していた民主党輿石東参院議員会長は4日の記者会見で「8月31日までに首相自身が退陣を明確にしてもらいたい」と述べた。裏を返せば、「9月代表選」容認論だ。

そもそも首相の月内退陣は、民主党執行部にとって譲れない一線だった。首相を今国会中に辞任させられなければ、後継を決める首相指名選挙も次の国会ということになるが、問題は国会召集の権限が内閣にあるという点だ。菅首相が退陣したくなければ、国会召集をしなければいいという理屈も成り立つ。だからこそ、執行部は今国会中の決着を目指していた。

しかし、首相の9月続投は日に日に現実味を帯びる。そこで、主導権を奪い返すための奇策が、民主党内で取り沙汰されている。

「何人かの閣僚が一気に辞める流れが出ている」

鳩山由紀夫前首相は最近、周囲にこう繰り返している。鳩山氏が辞任候補に挙げるのは、お盆明け辞任の意向を固めた海江田万里経済産業相のをはじめ、大畠章宏国土交通相松本剛明外相、高木義明文部科学相細川律夫厚生労働相の5人。18日に一斉に辞表を提出するシナリオもあるという。閣僚の集団辞任で一気に首相の外堀を埋めようという作戦だ。

公明党の漆原良夫国対委員長参院での首相問責決議案提出を明言。民主党小沢一郎元代表も内閣不信任案の再提出を主張している。都合のいい首相の延命策を指をくわえて見守ろうという意見は少ない。

小沢氏はここ数日、首相に辞表をたたき付けない執行部にもどかしさを募らせ、グループ議員に発破をかけ続けている。

「執行部は甘い。これでは、首相は辞めないんじゃないか?」

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