閣僚の集団辞任は効果があるのか?
風雲急、閣僚が集団辞任へ!“菅降ろし”極秘計画の全真相(ZAKZAK 2011年8月5日)
「8月政局」が風雲急を告げてきた。菅直人首相が退陣条件の3法案が成立しても、居座る可能性を模索しているため、政府・民主党幹部らがついに動くのだ。6日と9日の「広島、長崎原爆の日」終了後からお盆前後にかけ、暴君と化した菅首相に引導を渡すべく、重要閣僚らが集団辞任する計画が進んでいる。権力闘争の全貌に、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が迫った。 「Xデーはお盆が明けた16日以降がいい。いまやっても、お盆で3日間、国会が事実上の休みになったら熱気が冷める」(民主党政務3役) 「少しでも早いほうがいい。懸案だった原発事故の賠償法案が通ったんだから、海江田(万里経産相)を皮切りに切れ目なくやったほうがいい」(民主党幹部) 「退陣条件の3法案の残り2つが、お盆前までに衆院を通過しそうだ。与党としてそこまで責任を果たしてから−つまりお盆明けがいい」(鳩山グループ幹部) 諸説あるこの「Xデー」とは何か。ズバリ、閣僚の集団辞任である。 今週初めにリポートしたように、まったく辞める気配のない菅首相に対し、民主党の仙谷由人代表代行(官房副長官)、岡田克也幹事長、安住淳国対委員長、枝野幸男官房長官の「4人組」が動き出した。 (1)両院議員総会で菅首相の代表解任(2)新代表を選出(3)総代(総理・党代表)分離の後、次に出される内閣不信任決議案に賛成する−などとプレッシャーをかけ、退陣に追い込む戦略だ。 だが、これだけではない。「菅降ろし」の手立ては他にもあった。前代未聞、重要閣僚の一斉辞任である。 内閣不信任決議案の取り扱いをめぐり、鳩山由紀夫前首相は菅首相にだまされた形になっている。鳩山氏は、民主党の主要政策を次々に反故にしていく菅首相に憤慨し、これを引きずり下ろす急先鋒だ。その鳩山氏が3日夜、若手議員らとの会合でこう言った。 「海江田さんはいつ辞めてもおかしくない。でも、海江田さん1人じゃない。大畠(章宏国交相)さん、松本(剛明外相)さん、高木(義明文科相)さん、細川(律夫厚労相)さん。5人は辞めるだろう」 鳩山氏はこの日、小沢一郎元代表率いる小沢グループの議員らとも懇談した。そこでは、さらに衝撃的な名前を挙げた。 「海江田さんと同時に辞める覚悟ができているのは、仙谷さん。それに、野田(佳彦財務相)さんに、枝野さんもだ」 実は、仙谷氏自身も、周辺に辞任について話をしている。 「俺はいつ辞めてもいい。野田も辞めるだろう。枝野も菅首相とは距離が完全に開いてしまった。同じ(辞める)気持ちだが、枝野まで辞めると、これは決定的だな」 こんなことは政治史に例がない。官房長官や財務相、外相、経産相、国交相、厚労相、文科相といった重要閣僚が一斉に辞めるなど、もう政権の体をなしていない。 野田氏の場合、被災地復興の第3次補正予算案や来年度の概算要求など重要懸案が山積しており、本来なら、辞める選択肢などないはず。 だが、「野田氏の辞任は、応援団である財務省も了解済み。仙谷氏が『ポスト菅=野田という流れを作る』と財務官僚を納得させた」(官邸スタッフ)という。 こうした集団辞任は「4人組」を中心にひそかに検討され、進められてきた。そして、依然として居座りのためには手段を選ばない菅首相の態度に彼らもキレ、Xデーが現実日程に上がってきたのだ。 冒頭のように、当事者にはそれぞれの考えはある。だが、「お盆明け一気に…というところに集約されつつあるとみていい」(某大臣側近) |
むしろ、民主党代表権限を剥奪するほうが現実的だろう。