TPP問題と自民党

「逃げるな」気勢上げる自民 でも「両刃の剣」 産経新聞 2011年11月10日22時59分)


野田佳彦首相が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加表明を先送りしたことを受け、自民党は気勢を上げた。ただ、早期の衆院解散を勝ち取る材料があるわけではない。むしろTPPは「両刃の剣」であり、気勢を上げるほど党内の溝は深まり、政権復帰はまた遠のく。

「参加表明の先送りは11日のTPPの集中審議に耐えられないからだ。記者会見でしゃべるだけしゃべって飛行機に乗るつもりだな。『逃げるな、野田さん』と申し上げたい!」

自民党大島理森副総裁は10日夜、都内のパーティーで勝ち誇った。伊吹文明元幹事長も「民主党のガバナンスができず議院内閣制の下で板挟みになったのではないか」と冷笑した。

公明党の漆原良夫国対委員長も「沈黙の宰相だ。モノを言わない姿勢に怒りを覚える。リーダーとしての責任感がなさ過ぎる」とこきおろした。

ただ、自公が戦術の見直しを迫られたのも確かだ。首相の参加表明を踏まえ、11日に衆参両院の予算委員会で首相や閣僚をじりじりと締め上げる算段だったからだ。公明党幹部は「首相を追及しても『まだ決めていない』と言い逃れされるならば審議の意味がない」と漏らした。

だが、自民党のTPP反対派にとって現状は、TPP参加を阻止できる上、民主党の内部分裂を促す「一石二鳥」の好機に映る。

古賀誠元幹事長は10日の古賀派総会で「TPP参入はやるべきではない。国会決議などやっていてもしようがない。内閣不信任案を出せ」と息巻いた。

党総合農政・貿易調査会(加藤紘一会長)と「TPP参加の即時撤回を求める会」の合同会合では、谷垣禎一総裁に矛先が向いた。武部勤元幹事長は「総裁は大事なときに何をやってるんだ」、西田昌司参院議員も「ここに総裁がいないのは許せない。戦う気がないなら辞めたらいいんだ」と吐き捨てた。

「TPPは自民党にとって両刃の剣なんだ…」

TPP推進派の閣僚経験者はこう漏らす。推進を求める財界や中小企業に顔向けできない。日米関係の悪化も気になる。保守派の結束は崩れる。何より農協とハチマキ姿で気勢を上げれば「やっぱり自民党は旧態依然だ」と都市部の支持層が離反しかねない。

5党共同で衆院に提出した反対決議案も時限爆弾となる。もし議決することになれば、民主党以上に自民党で賛否が割れるに違いない。

TPP問題は自民党も二分しかねないってことか・・・。
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