一川保夫防衛相宮中晩餐会欠席問題

一川防衛相 罷免に値する非礼発言だ産経新聞 2011年11月19日)


一川保夫防衛相が、国賓として来日中のブータン国王夫妻を歓迎する宮中晩餐(ばんさん)会を欠席し、同僚議員のパーティーで「宮中で催し物があるが、こちらの方が大事だ」とあいさつしていたことが分かった。大臣罷免に値する問題発言である。

宮中晩餐会は、外国の国賓が来日した際、皇居豊明殿で行われる。国事行為以外の天皇のご公務の中で、最も重要な行事の一つである。今回は、天皇陛下が気管支炎で東大病院にご入院中のため、皇太子さまが陛下のお言葉を代読された。

これに国防を担う主要閣僚の一川氏が出席すべきだったのは当然だが、それにも増して、皇室行事より同僚議員のパーティーを優先させたとする一川氏の発言は国王夫妻にも皇室にも著しく礼を失している。藤村修官房長官は一川氏を呼んで厳重注意したが、それだけで済まされる問題ではない。

一川氏は9月の防衛相就任の会見で、「私は安全保障に関して素人だが、これが本当のシビリアンコントロール文民統制)だ」と述べ、批判された。その後も、仲井真弘多沖縄県知事との会談で、米軍基地と自衛隊基地を混同するなど、閣僚としての資質を疑われる発言が相次いでいる。

宮中晩餐会には全閣僚が招待された。一川氏のほか、山岡賢次国家公安委員長川端達夫総務相細野豪志環境相も欠席した。正当な理由がなく欠席したのであれば、問題である。

また、晩餐会前に蓮舫行政刷新担当相が携帯電話を使った行為も慎むべきである。

民主党政権になってから、皇室に対する非礼な言動が目立つ。

平成21年暮れ、習近平中国国家副主席が来日した際、鳩山由紀夫内閣はルールを無視して天皇陛下と習氏の特例会見を設定させた。当時の小沢一郎幹事長は「陛下にお伺いすれば、(会見を)喜んでやってくださると思う」と陛下のご意思を勝手に忖度(そんたく)した。

22年11月末の議会開設120年記念式典で、民主党中井洽衆院予算委員長は来賓の秋篠宮ご夫妻に「早く座れよ」と発言した。最近も、9月13日の臨時国会開会式に臨席された天皇陛下を、無所属で民主党会派の平山誠参院議員が携帯電話のカメラで撮影した。

情けないことだが、皇室に対する敬意とマナーを党内で改めて徹底すべきだ。

こういうのが重なったら、大臣本人は身内の政治資金パーティより宮中晩餐会に出席するものだろうが。それに、政治資金パーティー宮中晩餐会に行かなかったことを堂々と語るものでもあるまい。
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