社民党のゆくえ

社民党、哀れ貧窮問答歌〜ついに党本部退去へ 人事も膠着状態産経新聞 2012年2月22日)


国会議員わずか10人の小所帯ながら1月の党首選で激しい不協和音を響かせた社民党に新たな危機が迫っている。半世紀近く党本部として利用してきた「社会文化会館」(千代田区永田町)の老朽化が進む中、資金難で建て替えができず、党本部退去を余儀なくされているのだ。24、25両日の党大会で提案するというが、新役員選出さえままならない中で賛同を得られる見通しは立っていない。5選した福島瑞穂党首の貧窮問答歌はまだまだ続く…。

皇居に臨む三宅坂に面する社会文化会館は昭和39年に完成した地上7階地下1階のビル。敷地は約1700平方メートル。688席を有する三宅坂ホールもあり、旧社会党は自らを「三宅坂」と名乗っていた。

55年体制下では人の行き来が絶えず、平成元年の参院選では土井たか子委員長(当時)の「おたかさんブーム」で大勝。一時は衆参両院で約200人の議員を抱える大所帯となった。

ところが、平成8年1月、社民党に党名変更後は鳴かず飛ばず。支持者の多くは民主党に流れ、党が使用しているのは2、4両階だけ。他フロアは節電のため消灯し「お化け屋敷」と揶揄されるようになった。

民放のドラマ撮影などに貸し出し細々と収入を得てきたが、メンテナンスを怠ったこともあり、建物の老朽化が進み「大地震が来れば極めて危険な状態」(党幹部)だという。建て替えも検討したが、資金調達ができず断念。国有地に建っているため国に借地料を支払わねばならず、営利目的で貸し出すことも難しい。

悩んだ末に党執行部は会館からの退去を決断。24、25両日に日本教育会館(東京都千代田区)で開かれる党大会で重野安正幹事長が党本部移転を提案、了承を求める段取りだという。

だが、懸案はそれだけでない。先の党首選のシコリはまだ残っており、党役員人事が難航しているのだ。

福島氏は重野氏を再任させる考えだが、5選阻止に動いた照屋寛徳国対委員長阿部知子政審会長らは「党勢を衰退させた責任は大きい」と幹事長交代を要求して一歩も引かない。

とはいえ、10人の小所帯では、人事での融和策といっても選択肢はわずか。

中立派の又市征治副党首を幹事長に起用すれば反福島派も矛を収める可能性はあるが新鮮味ゼロ。しかも党首と幹事長がともに参院議員という事態となる。衆院1回生の服部良一国対副委員長を幹事長に起用すべきだとの意見さえある。

強気の福島氏は阿部氏らと「手打ち」にする考えはないようだが、党役員人事までゴリ押しすれば阿部氏らが離党する可能性もある。人も建物も失えば、社民党は正真正銘の「幽霊政党」になりかねない。

小選挙区化による二大政党化と野党票は労組票の多くが民主党に流れて、埋没しちまったな・・・。

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