小沢一郎裁判における指定弁護士の論告求刑

「責任回避のための虚言」 指定弁護士側、論告で説明の「不合理さ」強調産経新聞 2012年3月19日)


禁錮3年を求刑した論告で指定弁護士側が強調したのは、小沢一郎被告の弁解の「不自然、不合理さ」だ。論告は被告人質問での説明を11項目にわたって列挙。元秘書らの証言などに照らし、これらが「責任回避のための虚言であることは明らか」と断じた。

小沢被告は公判で、陸山会の会計処理について、元秘書と協議したり報告を受けたりしたことは絶対にない▽土地代金の決済が終わったとの報告を元秘書から受けたことはない▽銀行融資を受ける際、陸山会の定期預金を担保にするとの説明は受けていない−などと説明。「政治資金収支報告書は現在に至るまで見たことがない」とも述べた。

しかし、論告は平成21年8月の衆院選で候補者に資金を配る際、「小沢被告から相談を受けた」とする池田光智元私設秘書(34)の証言に着目。「会計処理に関する相談であることは明らか」と指摘した。

また、土地代金の決済報告については「秘書寮の建設用地を取得するために秘書側から頼んで巨額の資金を被告に出してもらったもので、何の報告もなかったなどということは合理的に考えてあり得ない」と、説明の不合理さを強調した。

銀行融資をめぐる報告では、弁護側主張との矛盾点も指摘した。

石川知裕衆院議員(38)は小沢被告に融資書類への署名を求めた際、「預金を担保にして借り入れることを説明した」と証言。弁護側も冒頭陳述などで同様の主張をしていることから、「説明を受けていない」とする小沢被告の弁解は「実質的な供述の変更で信用できない」とした。

論告は、元秘書3人を有罪とした東京地裁判決にも言及。元秘書による虚偽記載を裁判所が認定した後も、収支報告書を見たことがないと述べること自体が「規範意識の著しい鈍磨を示すもの」と非難した。


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