党首が党内少数派となり、党内多数派と対立した場合

国民新の連立維持派が代表「解任」=亀井氏は無効と反発−政権混乱、首相に痛手時事通信 2012年4月5日)


国民新党自見庄三郎金融・郵政改革担当相、下地幹郎幹事長ら民主党との連立維持派6人は5日夜、党本部で議員総会を開き、連立離脱を主張している亀井静香代表と亀井亜紀子政調会長の「解任」を決議した。新代表には自見氏が就くとしている。ただ、亀井代表らは無効だと強く反発。党則の不備も絡み、国民新党の混乱は続く可能性がある。

自民党など野党は与党の迷走を批判。法案審議に影響しかねず、消費増税関連法案の成立に向けて野党に協力を呼び掛けている野田佳彦首相にとっても痛手だ。

5日の国民新党の総会では、先に6人で決定した連立維持方針を「独断で握りつぶした」として、亀井代表と代表に同調した亀井政調会長の解任を議決。下地氏が代表代行を兼務することや、政調会長浜田和幸外務政務官とすることも決めた。同党規約5条は、党役員について「所属する国会議員の総会において選出する」と定めており、これに沿った対応とみられる。 

自見、下地両氏は総会後、国会内に民主党輿石東幹事長を訪ね、連立継続を伝えるとともに、代表交代を6日に総務省に届け出ると説明した。会談に同席した民主党樽床伸二幹事長代行は、記者団に「正式な手続きで人事が行われたと認識している」と述べるとともに、連立について「これまで通りだ」と語った。

一方、亀井代表は「解任」について都内で記者団に「有効なわけがない」と批判。代表周辺は「党規約に解任の規定はないし、代表不在の議員総会は無効だ」と語った。

下地氏は総会後に記者会見し、亀井代表らについて「除名も離脱もしていない」と述べ、党として引き続き8人で活動していきたいとの考えを示した。ただ、党の亀裂は決定的に深まり、亀井政調会長は会見で「いつ代表が(6人を)除名するかということであり、みんな仲良くというのは無理だ」と語った。亀井代表が進めている石原慎太郎都知事を党首とする新党構想にも影響しそうだ。

自民党谷垣禎一総裁は5日の記者会見で、国民新党の混乱を「論評に値しない迷走ぶりだ」と批判。自民党は、混乱が続く限り6日以降、全ての委員会を欠席する構えを示していた。

国民新「解任騒動」の原因は党則不備産経新聞 2012年4月6日)

トップ「解任」は有効か、無効か−。亀井静香氏の代表解任をめぐる国民新党の連立政権維持派、離脱派双方による主張の食い違いの原因は、議員総会の規定すらない党則の欠陥に端を発している。

下地幹郎幹事長(連立維持派)「党所属の議員の過半数で総会を開き、そこで決まったことは有効だ」

亀井亜紀子氏(連立離脱派)「議員総会は代表が招集するものだ」

両氏は5日、こう主張し、互いに「本家・国民新党」を訴えた。下地氏は「8人中6人が参加した議員総会」の決定の正当性を主張したわけだが、そもそも党則に議員総会に関する規定はない。亀井氏はこの点をもって無効と断じた。

だが、同じ欠陥は亀井氏側にも言える。党則は代表について「党の最高責任者であって、党を代表し、党務を総理する」と書いてあるだけ。総会招集の権限を明記しているわけではない。

実は同党には代表選出の明確な規定もなく、関連するのは「役員は所属する国会議員の総会において選出する」との項目しかない。平成17年の結党以来、一度も代表選を実施したことがなく、亀井静香氏も21年の衆院選で代表だった綿貫民輔衆院議長の落選を受け、「議員の同意」で代表に就任した。

その後、同党は圧倒的な存在感を誇る亀井静香氏の「オーナー政党」となり、党則改正の機運はなかった。政党交付金として約4億円の税金を受け取る公党、しかも与党でありながら、党の基本をおろそかにしてきたツケが回った格好だ。

国民新・自見氏への代表変更届 総務省が受理 首相と会談へ産経新聞 2012年4月5日)

国民新党の連立維持派は6日午前、党代表を亀井静香氏から自見庄三郎郵政改革担当相へ交代するための政治資金規正法に基づく役員変更届を、東京都選挙管理委員会を通じて総務省に届け出た。総務省は受理した。下地幹郎幹事長は同日午前、国会内で民主党輿石東幹事長と会談し、野田佳彦首相と自見氏による党首会談を行うよう要請した。両党間で新たな連立合意書を交わすためで、同日中に実現する見通しだ。

自見氏は6日午前の閣僚懇談会で、亀井氏を「解任」した党内の手続きを説明し「心配をかけた」と陳謝した。その後の記者会見では「(解任手続きは)まったく瑕疵(かし)がない」と強調した。藤村修官房長官は記者会見で、連立継続の手続きに関し「与党間でやること」と述べるにとどめた。

亀井静香氏は6日午前、産経新聞などの取材に対し「話すことはない」と語った。当面一連の動きを静観するとみられる。

下地氏らが成立にこだわる郵政民営化法改正案は6日午前、衆院郵政改革特別委員会で趣旨説明を行い審議入りした。自民党は「国民新党が連立政権に参加しているか不明確だ」として、国民新党の政務三役が出席する審議を拒否する構えを崩していないが、6日の郵政特委には、自見氏が出席しないことを踏まえ参加した。

消費税法案の閣議決定について連立維持派と連立解消派のどちらが正しいのかひとまず置いておくとして。

しかし、連立解消派が代表解任無効とか言っているけど、ある意味では問題な気がする。党首が党内少数派になっているにも関わらず、なおかつ党首が両院議員総会招集権などの権限を盾に党首という地位にとどまり続ける一方で暴走をしたら、止められない仕組みになっているな。政党交付金を貰っている政党としては、党首が公金が入る政党を私物化できるというのは問題な気がする。

賄賂罪で有罪が確定しており、公民権がなく、刑期満了すらしていない人物が政党交付金を貰っている政党の党首にしがみ続けたら問題だと思う(まあ、新党大地・真民主の場合、政党交付金の要件が過去の国政選挙得票率ではなく、国会議員5人以上のみなので、他の国会議員メンバーが離党すればいいだけの話であるが)。
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