“小沢帝国”崩壊の足音…側近また離反で問われる人間力
“小沢帝国”崩壊の足音…側近また離反で問われる人間力(ZAKZAK 2012年4月5日)
民主党の小沢一郎元代表の側近がまた離反した。国会で、消費増税法案への対応を聞かれた小沢グループの奥村展三文科副大臣と中塚一宏内閣府副大臣が、ともに「増税賛成」を明確にしたのだ。これまで、数多くの盟友・側近が離反してきた小沢氏だが、野田佳彦首相を「増税反対」で追い込む戦略にも変化があるのか。 「内閣の一員なので従う」(奥村氏) 「当然そうだ」(中塚氏) 政務三役の2人。4日の参院予算委員会で増税法案への対応について、こう明言した。事実上、小沢氏への“決別宣言”ともいえそう。小沢氏側近は「これが親方(=小沢氏)との運命の別れ道だ」と言い放った。 奥村氏は、小沢氏が民主党代表時代に役員室長を務め、一新会(小沢グループ)の会長代行を務める。中塚氏は、自由党時代から小沢氏に政策ブレーンとして仕えた。小沢氏はかつて京大大学院で講義したが、卒業生である中塚氏がおぜん立てしてきた。 小沢氏にとって、盟友・側近の離反は珍しいことではない。新進党時代には、船田元元経企庁長官や熊谷弘元通産相ら、自由党時代には二階俊博元経産相や小池百合子元防衛相ら、民主党になっても藤井裕久元財務相らがたもとを分かっている。 その原因はさまざまだが、小沢氏の「政界の父」である田中角栄元首相が、敵も味方も関係なく、抱きかかえるような人間力・包容力を持っていたのとは大きく違う。 小沢氏の「増税反対」路線を後押しする超党派議員らによる「消費税を考える国民会議」は4日、国会内で1回目の勉強会を開催した。だが、民主党の参加議員は山田正彦元農水相らわずか約30人。増税反対の動きは広がっていない。 |