検察審査会の小沢一郎幹事長への起訴相当

検察審査会小沢一郎幹事長への政治資金規正法違反について起訴相当との判断を下しました。

最大の証拠の一つとされたのは、秘書の「小沢一郎の了承を得た」とする証言の判断だったが、東京地検特捜部は秘書の証言は具体性を欠いていることや「小沢一郎が指示をした」という証拠がないとして公判維持が難しいとして立件を見送っていたが、検察審査会の判断は秘書の証言をもって共謀共同正犯が成立するというものでした。

11人中8人が賛成すれば「起訴相当」となるので、可能性としては想定されていました。

ただ東京地検特捜部が必死になって起訴しようとしてもできなかったのだから、検察審査会が「起訴相当」の判断をしたからといって、東京地検が不起訴から一転して起訴になるのは難しいでしょうし、仮に検察審査会が2回目の「起訴相当」となって強制起訴をしても、小沢一郎を有罪にすることも難しいでしょうね。完全無罪というわけではないから、法廷で白黒はっきりつけるというのも理解できないわけではないけれど。

私は民主党にネガティブな情報をこのブログに書いている人間で、あまりにも複雑な資金の動きをしている政治資金問題について、小沢一郎がきちんとした説明ができなければ道義的責任を取って民主党幹事長を辞めるべきだと思っているし、それがなくても小沢一郎の政治手法に問題が多いと考えているので小沢一郎には一刻も早い政界から引退を望んでいる。

しかし、フェアに言えば、前述したようにこの事件で小沢一郎を有罪にすることは証拠が薄いため、難しいと思います。ただ、秘書については過去にも書いたとおり、有罪には問えると思います。

ただ、検察審査会小沢一郎にネガティブな判断をしたというのは事実ですし、今後の政局に大きく影響を与えるのは事実でしょうね。過去の政治家への検察審査会の議決と異なり、小沢一郎への検察審査会の起訴相当が注目を集めているのは、法改正によって検察審査会の議決に強制力がもたされており、強制起訴によって小沢一郎が被告人席に立たされる可能性が指摘されたことで、有名人が晒し者にされることが世間から大きな注目を集められるからでしょう。押尾学の保護責任者遺棄罪が裁判員裁判となり、押尾学の刑事裁判に素人である裁判員が参加したのと似ているかもしれません。

報道を見ていると小沢一郎への起訴相当について「素人集団の決定」とか批判していた民主党シンパのコメンテイターがいたが、一方で明石歩道橋事故やJR福知山線脱線事故検察審査会の強制起訴については「検察の不起訴を市民がひっくり返した。すばらしい」とか擁護した者もいたが、それはダブルスタンダードじゃないかねえ? ご都合主義じゃないですか?

また、過去に自民党国会議員の日歯連献金事件で政治資金規正法違反の不起訴に対して検察審査会が「起訴相当」や「不起訴不当」としたことで民主党国会議員は自民党国会議員への批判を強めていたのに、小沢一郎への不起訴に対して検察審査会が「起訴相当」としたことに民主党国会議員が検察審査会批判をするのはダブルスタンダードだと思う。鈴木宗男への対応が180度変わったのと同様に、こういうのがご都合主義として民主党が批判される要因になるんじゃないですかね?

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