菅首相退陣のカウントダウン?

【高橋昌之のとっておき】菅首相退陣のカウントダウンが始まる産経新聞 2010年12月31日)


民主党政権が迷走に迷走を続けた1年も今日、大みそかを迎えました。今年最後のコラムでは、ぜひとも希望にあふれた内容を書きたいところなのですが、そうもいかない政治情勢です。今晩は日本の至るところでカウントダウンが行われることでしょうが、政治でも年が明けると、菅直人首相退陣のカウントダウンが始まります。というのも、私は「菅首相は来年4月までには退陣せざるをえなくなる」とみているからです。

その根拠は、来年は4月に統一地方選が行われることになっており、参院で多数を占める野党が、その前の最も効果的なタイミングで、菅首相の問責決議案を可決してくるのは必至だからです。もし、私が野党の幹部なら、統一地方選で勝つために、間違いなくそうするでしょう。

問責決議に法的拘束力はありませんが、政治的には菅首相が退陣しない限り、参院での審議は一切、行われないことになりますから、退陣するかどうかの決断を迫られることになります。

退陣を迫られたら、菅首相としては「伝家の宝刀」である衆院解散・総選挙に打って出るという手もあります。しかし、内閣支持率民主党支持率ともに下落している中で、総選挙を行えば民主党が大敗するのは目に見えており、民主党内が了承するはずはありませんから、退陣せざるをえないでしょう。

民主党の議員の中にも、このことに気づいている人はいます。追い込まれて野党の都合のいい時期に首相の問責決議案を可決されるよりは、「その前に先手を打って菅首相を退陣させ、新しい体制で統一地方選に臨む」というシナリオが、すでに民主党内で動き始めているのです。

そうでなくとも、民主党の地方の現場では、統一地方選に出馬を予定している地方議員や立候補予定者が、民主党の公認を辞退するという動きも出ています。これを受けて、同党の国会議員の間でも「統一地方選菅首相では戦えない」との声が大半になっています。それは菅首相に批判的な民主党小沢一郎元代表を支持する議員らにとどまらず、菅首相を支えている反小沢グループの中でも強まっています。

私が最近、得た情報によると、反小沢グループ内では早くも菅首相退陣を前提に、その後の民主党代表選に前原誠司外相を擁立する動きが出始めたそうです。それでなくても難局に直面している菅首相が、自らを支える反小沢グループから見切られたら、退陣せざるをえなくなるでしょう。

それでは、民主党内で「菅おろし」が行われるとすれば、どのタイミングになるでしょうか2月末の時点です。菅首相退陣と引き換えに予算案の衆院通過をはかるというわけです。

現在の菅首相の支持率は20%前半で、今後さらに低下することも予想されますが、首相が交代すれば、自民党政権時代も含めてこれまでの例を考えると、新内閣の支持率は恐らく50%以上に回復するでしょう。その高い支持率を背景に、23年度予算案と関連法案を3月末までに成立させれば、何とか民主党も4月の統一地方選を戦える態勢が整います。

どのような形で「菅おろし」が行われるは、いくつかのケースが想定されます。ひとつは民主党菅首相に批判的な議員が「菅首相が退陣しなければ予算案に賛成できない」と言い出すケースです。衆院民主党・無所属クラブの議席は307ですが、68人以上がそれを言い出せば過半数を割ってしまうため、菅首相が退陣しない限り、衆院を通過させることはできなくなります。

それを受けて、菅首相を支えている民主党の反小沢グループが「もはや菅政権はもたない」として、菅首相に退陣を促すことも考えられます。そうしなくても、菅首相に批判的な勢力が必要な数の署名を集めて両院議員総会を開催し、過半数の議決によって菅代表の解任を決定するというケースも考えられます。

こう考えてくると、いずれにしても、菅首相は遅くとも4月の統一地方選までに、早ければ2月の23年度予算案の衆院通過のタイミングで、退陣を余儀なくされる可能性は非常に高いといえます。

まあ普通ならこう予想されるだろうね・・・・。2011年の統一地方選挙が大きなイベントの前後で菅直人首相が退陣になる可能性が非常に高いです。

正直2012年1月に日本の首相が菅直人であることを自分は想像することができない・・・。
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