検察側の主張がほぼ認められた

「ほっとした」 検察“満額回答”に安堵産経新聞 2011年9月27日)


検察側にとって、供述調書が大量に却下されるなど波乱の展開となった小沢一郎民主党元代表の元秘書3人の公判。だが、判決は全員を有罪とし、検察側が虚偽記載の動機として位置づけた、中堅ゼネコン「水谷建設」から小沢氏側への1億円の裏献金提供も認定した。検察内部では主張がほぼ認められた判決に、ひとまず安堵の声が広がった。

「注目されている政治家案件なので、調書が却下されながら有罪が認められてほっとしている」。ある検察幹部は判決の感想を率直に語った。

元秘書3人の公判をめぐっては、東京地裁が6月30日、石川知裕被告(38)らが大久保隆規被告(50)との共謀を認めるなどした供述調書計11通について、「威圧と利益誘導があった」として検察側の証拠申請を却下した。

検察内では、調書が却下されても有罪認定がされたことに「裁判所の新たな考え方」と受け止める声も。

検察首脳の一人は「今回の判決は、自白がなくても客観証拠があれば、認められるという裁判所からのメッセージかもしれない」と語った。

昨年9月の郵便不正事件をめぐる検察不祥事を受け、捜査の環境は激変している。特捜部が置かれる立場は厳しいままだ。

特捜部は4月以降、取り調べの可視化を実施。捜査のチェック態勢を強化しているほか、7月には独自捜査優先から、国税庁などとの連携に重点をシフトさせる組織改革を行った。

東京高検幹部は「検察改革を粛々と進めていく。今回の判決で特捜部が免罪符を受けたとは全く考えていない」と語った。

ある検察OBは「判決は検察としては良かった。だからこそ、取り調べで任意性が否定されたことが悔やまれる」と指摘した。

検察側の主張がほぼ認められましたね。ただ、厳密には陸山会民主党岩手県第4区総支部などから7000万円の寄付を架空記載した事案について、池田被告は有罪ですが大久保被告の故意や共謀が認めるには合理的な疑いが残るとして一部無罪になっています。まあ、2007年の7000万円の架空記載について会計責任者が無罪になったとはいえ事務担当者が有罪になったことで、全体として小沢の政治資金に故意の虚偽記載があった事実は変わりありません。

まあ今まで検察は供述調書に安易に頼りすぎたというのもあるでしょう。今後は、捜査段階で認めた供述調書が否定されても、他の証拠から合理的な疑いを超えて有罪が証明されれば、有罪判決が出るようになるのは望ましいと思う。

・・・しかし、一審で有罪判決が出たんだから、石川知裕に対して衆議院本会議で議員辞職勧告決議は採決されてもいいと思うんだけど。
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