新嘗祭

きょう新嘗祭 陛下ご不在は初めて 掌典長が代拝産経新聞 2011年11月22日)


天皇陛下が自らその年の収穫を神々に感謝する儀式で、宮中祭祀(さいし)の中で最も重要とされる「新嘗(にいなめ)祭」が23日、行われる。しかし、今年は陛下が祭祀にお出ましにならないことが決まっている。病気を理由に陛下がご不在となるのは初めて。今年の新嘗祭は、どのように執り行われるのか。

新嘗祭は皇居・宮中三殿の近くにある「神嘉殿(しんかでん)」で行われる。殿上に上がるのは伝統的な装束を身につけられた陛下と皇太子さまに限られ、ほかの皇族方は庭から拝礼される。

例年だと儀式は陛下が主体となって行われる。陛下は全国から献上されたり、皇居で収穫したりした米とアワの新穀、新米から造った酒などを神前に供えられる。続いて神前に拝礼、「御告文(おつげぶみ)」を奏上した後、供え物を神々とともに食べる「直会(なおらい)」の儀式に臨まれる。

午後6時からの「夕(よい)の儀」と午後11時から未明にかけての「暁の儀」があり、各2時間ずつ、計4時間のほとんどを正座で過ごされるといわれる。皇太子さまは、自身の拝礼時以外は、陛下とは別の部屋で終了まで控えられている。

今年は宮中祭祀をつかさどる掌典職のトップ、掌典(しょうてん)長が陛下に代わり供物を供え、祝詞を読み上げる「代拝」を行う。宮内庁によると、皇太子さまはご自分の拝礼時に殿上に上がり、皇族方のご拝礼前に退出される。昭和時代の前例に従ったものだという。
祭祀関係者は「陛下が出られる場合、着替えるだけで30分の準備がかかる。その重い装束で神嘉殿まで歩くのも大変だ」と明かす。

宮内庁によると、昭和天皇は69歳で暁の儀へのお出ましをやめ、70歳で夕の儀も途中からとなった。陛下は来月78歳を迎えられる。

国事行為の臨時代行などを務める皇太子さまだが、新嘗祭では儀式を代わりに行われることはない。祭祀は明治時代に制定され戦後廃止された「皇室祭祀令」に準じて行われ、陛下の代拝は掌典長がするものとされているからだ。

祭祀関係者は「神とともに供え物を食すのは陛下以外誰にもできない。それだけ重要な儀式だが、陛下のご健康が一番大切。今年はゆっくり休んでいただきたい」と話している。

新嘗祭は祝日「勤労感謝の日」にあたるわけですが、今上天皇陛下が宮中行事を欠席するのは残念です。
人気ブログランキングへ