被災地選挙で共産党議席増

共産、被災地選挙でじわり 他勢力「支援は票目当て」と警戒産経新聞 2011年11月26日)


東日本大震災の被災地で共産党がじわじわと勢力を増殖させている。岩手、宮城、福島の被災3県の県議選ではいずれも前回を上回る議席を獲得し、震災後の組織的な義援金配布やボランティア活動が原動力となって保守系支持者を取り込んだケースもある。他の勢力は「票集めのための被災地支援。地方行政の運営に支障が出かねない」と牽制している。(伊藤真呂武、荒船清太)

 福島県議選の投開票が行われた20日夜。同県いわき市の同市漁協四倉支所長、鈴木三則さん(61)は自宅のテレビで共産党候補の当選を確認して喜んだ。

 「応援したかいがあった。しがらみはあったけど、他の党は何もしてくれなかったから…」。長年、自民党を支持してきた鈴木さん。1月には同党候補から「今年もお願いします」と頼まれていただけに、苦渋の決断だった。

 共産党は同市選挙区で初めて2議席を獲得するなど改選前の3議席から5議席に伸長。投票率の低下で全体の得票数は減らしたが、得票率は前回の8・12%から8・70%に伸ばした。

同党は震災後、9億円の義援金を被災自治体や支援団体などに寄贈。党員を動員し、炊き出しや家の片付け、放射能測定などのボランティア活動を展開した。

津波被害を受けた四倉漁港にある漁具倉庫は、同党から贈られた100万円を元手に再建された。鈴木さんは「あれは生きたゼニだった。議会活動よりも、支援活動こそ政治の大事な仕事。選挙目当てだったとしてもいい」と感謝する。

鈴木さんは同党候補の「応援者紹介カード」に、漁協組合員約60人の連絡先を書き込んで送付。市田忠義書記局長の応援演説には、漁協組合長に頼まれて異例の出席をした。

同党は他の被災地選挙でも軒並み勢力を伸ばしている。仙台市議選、岩手県議選で各1議席増。宮城県議選では2議席から4議席に倍増させ、最大の被災地である石巻選挙区で初の議席も獲得した。

同党宮城県委員会からは「救援活動は党に対する信頼を深め、選挙戦での前進の大きな力にもなった」と“勝利宣言”が出された。

一方、保守系県議の後援会事務所は「われわれのボランティアはあくまで事務所レベル。票集めにつながるからといって、共産党のように組織を動員することはできない」と嘆く。

共産党福島県議会では代表質問が可能になる交渉会派に復帰し、脱原発での議会工作を加速させそうだ。自民党関係者は「実質的な議論よりも、脱原発などの反論しにくい質問で議会運営の手足を縛られかねない。躍進は歓迎できない」と警戒を強めている。

ま〜、こうなるとは予想してたけどね〜。
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