消防団員らのDNA組織を保存

消防団員らのDNA組織を保存 災害時の速やかな身元確認目的 大阪・摂津でスタート産経新聞 2011年12月3日)


災害時の身元確認をスムーズに進めることを目的に、大阪府摂津市は3日、災害時に危険な場所で活動する可能性がある消防団員や水防団員自治会長らに対するDNA組織の採取を始めた。これまで消防防災職員らのDNA組織の保存を進めてきたが、民間人にも拡大。こうした取り組みは全国で初めてだという。

東日本大震災で犠牲になった消防団員らの身元確認が難航したことなどがきっかけ。消防団員ら822人が対象で、これまで181人が保存登録を申し出ている。

この日は、DNA組織の保存登録を希望する約50人が市役所を訪れ、本人確認の書類を作成。研修を受けた看護師が口腔(こうくう)内のDNA組織を採集した。常温で保存可能な特殊なキットを使用しており、同市が浸水被害を受けにくい上層階の耐火金庫で保存する。

摂津市は低地が多く、淀川による水害に見舞われてきた経緯があり、同市では平成17年度から、市職員らのDNA組織の保存を行っており、市長ら幹部のほか消防防災部署の職員82人分のDNA組織が保存登録されている。

摂津市消防団長の樋下安之さん(64)は「子供のころ床下浸水の水害があり、舟で避難した記憶がある。われわれはいざというとき、救援活動に当たらねばならないが、東日本大震災の惨状をみると、普段からの心得が必要と考えた」と話している。


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