平成で最低の政府法案成立率
臨時国会きょう閉会 平成で最低、政府法案の成立率34%(産経新聞 2011年12月9日)
第179臨時国会が9日に閉会することで、政府提出法案の成立率は34・2%にとどまり、会期が1カ月以下だった国会を除くと平成に入って最低になることが8日、わかった。成立した法律も多くは自民、公明両党の主張を丸飲みした。野田佳彦首相は国会冒頭の所信表明演説で「『国会の決断』を担うのは国民を代表する国会議員の皆様だ」と野党に協力を求めてきたとはいえ、野田政権初の本格的な国会運営は、落第点だったといえそうだ。(村上智博) 今国会は、9日の参院本会議で復興庁設置法案とB型肝炎被害者救済法案が可決、成立の予定だ。その後、自公両党が一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員長の問責決議案を参院に提出する時点で、法案審議は事実上終了する。 衆院によると、予算や条約案件を除いて今国会に提出・審議された政府法案は38本。このうち、9日に2法案が成立する時点で計13本が今国会で処理されたことになる。 今国会の成立率は、仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相(いずれも当時)の問責決議などで荒れた昨年秋の臨時国会の37・8%よりも3・6ポイント少ない。 民主党はその理由を、「与党が参院で過半数を形成しうる状況にない」(松本剛明国対委員長代理)として、衆参両院のねじれ状況下、野党との修正協議に時間を要したためと説明している。 たしかに、成立した平成23年度第3次補正予算や関連法など重要法案の多くは、民主、自民、公明の3党協議を経て、最終的には修正された。ただ、同じ衆参のねじれ状況にあった麻生太郎政権下の平成20年秋の臨時国会の成立率が41・2%、福田康夫政権下の19年秋の臨時国会は73・7%と高く、今年の通常国会も75・2%だった。 このため、民主党内にはねじれを口実にした党国対の「押しの弱さ」を指摘する声が多い。逆に、修正を飲ませた自民党側は「民主党の政権担当能力がないことの証(あかし)だ」(国対関係者)と、来年の通常国会では政権との対決姿勢を強めていく構えだ。 |