豪腕、故郷に帰る

“剛腕”小沢氏、異例の“仕事始め”…生き残りに必死ZAKZAK 2012年1月4日)


民主党小沢一郎元代表は3日、東日本大震災で被災した地元の岩手県沿岸地域を初めて訪れた。党県連代表として出席した会合では、いつもの政権批判を繰り返した小沢氏。だが、昨年末には意に反して支持グループの若手議員が離党するなど求心力低下も顕著となっており、生き残りをかけた地元入りだったといえそうだ。

小沢氏としては、かなり異例の“仕事始め”だ。例年は都内の自宅に側近議員を集め、元日から新年の政治活動をスタートさせる小沢氏だが、今年は永田町から約400キロも離れた岩手県陸前高田市仮設住宅で被災者に囲まれ、記念写真をせがまれていた。

しかし、その発言は東京にいるときと変わらない。

記者団に消費税増税の是非を問われると「私の旧来の主張は変わっていない」と、反対姿勢を強調。仮設住宅訪問に先立ち、大船渡市内で開かれた県連会合では「官僚の壁に阻まれトップに座っている人たちがたじろいでいる。これでは政権交代した意味がない」と、野党党首ばりの政権批判を展開した。

実は、小沢氏の岩手県入りは昨年3月28日に県庁を訪問して以来のことだ。このとき、津波被害を受けた沿岸部には足を向けておらず、震災から10カ月近くも“現場”を踏んでいなかったことになる。

3日、ようやく実行した被災地訪問。小沢氏は、久慈→宮古→釜石→大船渡→陸前高田三陸海岸の約220キロを一気に走破した。

これは焦りの裏返しでもある。昨年末、内山晃衆院議員ら9人が民主党を離党。最側近といわれた松木謙公衆院議員と元秘書の石川知裕衆院議員は新党に合流する。これらの行動は必ずしも小沢氏の描くシナリオに沿ったものではない。

自らの政治資金規正法違反事件は4月にも判決が言い渡される。その頃には、首相が消費税を争点とする衆院解散・総選挙に踏み切っている可能性もある。

2日夜、久慈市内のすし屋で達(たっ)増(そ)拓也知事らと会食した際、小沢氏は自分に言い聞かせるよう語った。

「今年は大変な一年になるぞ」 


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