民主党はルールよりも政局や人間関係を優先させる政権運営

小沢氏処分 8日に解除の見通し 「判決確定まで」のルール覆す?産経新聞 2012年5月2日)


民主党小沢一郎元代表の“無罪放免”が確定的となった。野田佳彦首相(党代表)が米国での同行記者団との懇談で、無罪判決を受けた小沢氏の党員資格停止処分に関し、処分解除を主張する輿(こし)石(いし)東(あずま)幹事長ら党執行部に判断を委ねる意向を表明したためだ。7日の党役員会を経て、8日の党常任幹事会で解除される見通し。だが、小沢氏の処分期間は「判決確定まで」とされていたはず。無罪判決への控訴期限である10日を待たない決定には前原誠司政調会長らが異論を唱えており、党内に新たな禍根を残しそうだ。(酒井充)

首相は同行記者団との懇談で、小沢氏の処分解除について「役員会、常任幹事会で議論をすることに尽きる」と述べた。自らは関与せずに解除を容認する考えを示した形だ。

そもそも小沢氏の処分は、異例中の異例だった。

民主党の倫理規則に基づく処分・措置は8段階ある。刑事事件で逮捕、起訴された民主党議員は例外なく除籍処分を受けるか自ら離党しているが小沢氏は党員資格停止処分どまりだ。当時の菅直人首相−岡田克也幹事長ラインが党内最大勢力を率いる小沢氏に配慮した「大甘処分」だった。

さらに菅−岡田ラインは「超法規的措置」をとった。内部指針では、処分期間は「原則として最長6カ月以内」と規定されているにもかかわらず、小沢氏の処分については「判決確定まで」として、玉虫色の対応を示した。

それでも、小沢氏の処分決定には党内から大きな反発が出た。情勢に変化が表れたのは昨年9月。首相に就任した野田氏が「党内融和」の象徴として輿石氏を幹事長に起用したからだ。

輿石氏は処分問題を最初に扱った昨年2月の緊急役員会で「処分の必要はない」と主張。その後も早期解除を訴え続け、判決約1カ月前の3月21日の記者会見では「1審無罪で即解除」を主張している。

小沢氏の処分を主導した岡田氏は1月の内閣改造で入閣し、菅氏も脱原発に没頭する日々を送る。両氏は党最高顧問で現在も常任幹事会メンバーだが、今や党務の主導権は輿石氏ががっちりと握っている。

輿石氏にしてみれば、約1年4カ月越しの執念を実らせることになるが、判決確定前に結論を出せば「規則にない処分を行い、規則にない処分解除を行う」ことになる。民主党はルールよりも政局や人間関係を優先させる政権運営の未熟さをさらそうとしている。

民主党が「政局や人間関係を何よりも優先させる政権運営」なら、自分たちが嘘つき呼ばわりして一二審有罪判決が出ていた鈴木宗男を何の釈明もなく、衆議院外務委員長という要職には起用しないって。
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