選挙運動できない国政政党党首

「宗男節」影ひそめる? 公民権停止中

朝日新聞 2012年12月4日


新党大地が4日公示の衆院選で、党首の演説抜きの異例の選挙戦に突入する。鈴木宗男代表が公民権停止中で、候補者や党の支持を訴えられないからだ。

新党大地こそが、北海道を一番知っている政党だ。北海道の元気が日本の元気だ」。3日夕、鈴木代表が札幌市中心部で街頭演説に立ち、こう訴えると集まった聴衆から拍手と「がんばれ」の声援が飛んだ。

大地は、鈴木代表の「宗男節」と呼ばれる弁舌が支持者の結束を固め、選挙運動の推進力になってきた。ただ、今回の衆院選では影をひそめそうだ。受託収賄など四つの罪で有罪が確定(再審請求中)。4月に刑期満了を迎えたが、公職選挙法の規定で5年間は選挙に立候補できない。

さらに選挙運動が禁じられる。総務省によると、街頭やテレビで党の政策を訴える政治活動は自由にできるが、党や候補者への投票や支持は呼びかけられない。

ただ、具体的にどういう行為がアウトかセーフか、細かく定められていない。このため大地は、何が法に触れるか総務省や警察に確認する徹底ぶりで選挙に臨む。

マイクを握り、政治活動と判断される発言はできる。ただ、同党の選対などによると、熱くなって投票を呼びかける可能性があるとして、選挙期間中は候補者の事務所や街頭演説の場に姿は見せるが、候補者と一緒に歩いたり、街頭でマイクを握ったりすることはしないという。

鈴木代表は自身のブログで「もどかしい」と心境を明かす。3日夜の会見ではテレビの討論会への出演や、ブログの更新はすると表明し、「活動範囲は縛られるが、選挙事務所に出入りするのは自由だし、事務所であいさつするのも問題ない。候補者が演説の中で鈴木宗男の名前を出すのも自由だ」と述べた。

そもそも、賄賂罪等で実刑判決が確定して公民権が停止されている人間が国政政党の党首となって、政党交付金を受け取れること自体おかしいだろ。