次期アジア開発銀行人事について

青山繁晴 ザ・ボイス そこまで言うか!(AMラジオ 1242 ニッポン放送 平成25年2月28日)


青山繁晴:(黒田東彦日銀総裁案には)大きなダークサイドがあって、黒田さんが今務めていらっしゃるアジア開発銀行、これを任期途中で諸外国から見たら日本が投げ出すわけですね。このアジア開発銀行というのも日本人にはよく知られていない。こういうのがよくないんですよ。メディアの大きな責任。政治家にも大きな責任があると思いますけれども。アジア開発銀行というのは私たちが出している税金を元にして、アジアの開発のために出資している銀行で、日本が一番そこの中枢にいて、勿論出資も沢山してて、なんと創設以来歴代総裁全員日本人なんですね。そんな国際機関は滅多にない上に、このアジア開発銀行(通称アジ銀、あるいはADB)のアジアにおける存在感、特にASEAN諸国における存在感というのは強烈なものがあって、中国はこの総裁が欲しくてしょうがないわけですよ。したがって、任期途中で投げ出すんだったら、中国によこせという動きは実はサウンド(水面下)のささやきではあります。で、常識的にはできるはずがないんです。というのは、中国は未だに10億ドル以上アジア開発銀行から借りてますから。(中国は)出資もしてますけど、沢山借りるやつは少しでも出資しろって話であってですね。で、10億ドル以上も毎年借りてたら、さすがに総裁の権限はない。だって、そんな国から総裁が出たらですよ、自分のところに沢山カネを回すと誰だって疑問を持たざるをえないから、従ってそんな国は資格が無いんですよ。資格はないけれど中国はそれで諦めるような生易しい国ではないので、日本以外の他の国から総裁を出して、実はそれは本当はチャイナマネーで手足を縛れてたり、下手をすると(女性関係も含めて)スキャンダルを握られていたり。中国は女性関係のスキャンダルづくりも本当にずっと日本に対してもやってきましたから。それにひっかかった日本の政治家もいるわけですから。
(中略)そういうつけいるスキを与えてるんで、安倍政権は敢えて黒田さんをアジア開発銀行から引きはがして日銀に持ってくるんですから。今の財務省財務官の中尾さん、この人も国際社会ではある程度存在感がある方ですから、この人を徹底的に推し込むしかないですね。その時に中国はロビー活動はやるけど日本はあんまりやらない、そういうキレイごとはもう言わないの。賄賂は使ってはいけません。日本は中国とは違う。でも、ロビー活動は徹底的にやって、後任のアジア開発銀行の総裁も歴代日本人と同じく、日本人で続けないといけないです。それは日本の国益のためだけではなくて、アジアのためにそれが必要だということをしっかり安倍政権は実行する必要があります。