オペの順番(命を懸けた観光開発の断念)

手塚治虫の漫画「ブラック・ジャック」で「オペの順番」という回では西表島から沖縄本島に帰るフェリーの中で密猟者が密漁していたイリオモテヤマネコが飛び出し、密猟者が飛び回るイリオモテヤマネコを止めるために猟銃を発砲し、代議士と子供とイリオモテヤマネコに当たってしまう。

現場に居合わせた無免許医師ブラック・ジャックは治療を請う代議士と子供の母親に対して、「自分のやり方に文句をつけないことを」それぞれ1000万円と3000万円の治療費を請求。承諾した二人だが、ブラック・ジャックは治療の順番を怪我の重い順番からネコ→赤ん坊→代議士だったため、代議士の不満が爆発。

後に代議士から訴訟で訴えられた。ブラックジャックに厳しい判決が予想される中で裁判終了後にブラックジャックは代議士に診断書を渡し、「腹膜を調べたとき、ガン細胞を発見した。腹腔にガンがばら撒かれるとまず助からない。助けられるのは私だけだ」と言い残した。

家に帰り、ブラック・ジャックは「イリオモテヤマネコは滅びかかっている動物で、たったの40匹しかいない。代議士なんて腐るほどいるのによ。それなのに西表島も近々開発されて自然は無残に破壊されてしまう」と言う。

そしてブラック・ジャックにガン告知をされた代議士から電話がかかる。ブラック・ジャックは告訴を取り下げることと西表島の開発プランを白紙に戻すことを条件とした。代議士は怒ったが、命が惜しかったのか西表島の開発プランを白紙という条件を飲んで手術を受けることを受け入れた。

この代議士は冒頭の場面で「代議士として西表島の観光開発に命をかけとる」とか言っていたが・・・、天才医師でないと本当に助からないガンで命が惜しくなると、天才医師が出した西表島の開発プランを白紙に戻す結果になるとはね。

政治家の言葉の軽さが見て取れる話ですね。

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