個人票と政党票

昨日、参議院比例区でタレント候補が擁立されやすいのは比例区の非拘束名簿式で、多く票が取れた当選者の票が他の政党の候補者に流れる仕組みであることを書きました。

比例区では個人名でも政党名でもどちらでも有効票となります。どうせなら、比例順位決定に参加できる個人票に投票したほうがいいと思うのですが、過去の投票結果を調べてみると政党票のほうが圧倒的に多いほうがわかります。政党票を書く人の多くは選挙のシステムをよく知らず、世間の空気に流されて投票するミーハーな無党派層の浮動票だと思います。そういう意味では逆に考えると、個人票というのは業界支援候補であれタレント候補であっても組織票・固定票という側面が出てくるのではないでしょうか。

そうすると、下手に知名度タレント候補を擁立して個人票を集めるよりも、知名度が無くても地道な候補を擁立したほうが政党イメージが上がって、結果的には政党全体が獲得する票も増えるのではないでしょうか?

2004年以降の民主党参議院比例区での得票が多かったのですが、理由の一つとして政党のイメージがよかったことがあげられるでしょう。政権を取った今、鳩山・小沢のツートップの秘書が起訴されても自浄作用を発揮しようとせず、政権公約は反故にするものも多く、詭弁・強弁・食言ばかりしています。このようなイメージが悪いままでは、2010年参院選比例区ではいくら知名度だけタレント候補で個人票を取ったとしても、タレント候補の安易な擁立に対する反動としてかなりの政党票を失いかねません。

逆にみんなの党参議院比例区では基本的にタレント候補を擁立していません。あえてあげるとすれば元アナウンサーという経歴がある真山勇一ですが、アナウンサーであれは一定のインテリとは思われそうですし、調布市議会議員というキャリアもあるので、知名度だけで政治のことは知らないタレントという批判は避けられると思います。それにみんなの党民主党のようにイメージが悪くありませんし、党名がひらがなだから投票する際に書きやすい(笑)。無党派層の浮動票がみんなの党に多く入る空気ができつつあります。

今回の参院選では、みんなの党が大化けする可能性があります。

参議院比例区における得票は以下の通り。

政党政党票個人票合計票
民主党2001年607万5226票291万5296票899万0522票
2004年1734万5042票379万2416票2113万7458票
2007年1878万1406票447万4836票2325万6242票
自民党2001年1490万9223票620万5483票2111万4706票
2004年1160万4571票519万3316票1679万7687票
2007年1054万3581票600万1115票1654万4696票

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