推定無罪を誤用するな(小沢一郎の代表選出馬容認論)

「推定無罪が民主主義の鉄則」総務相、小沢氏出馬めぐり朝日新聞 2010年8月22日)


原口一博総務相は22日、佐賀市内での民主党佐賀県連の会合で党代表選に触れ、「民主主義の原点を踏み外した発言をすべきではない。推定無罪の原則が民主主義の鉄則だ」と語った。検察審査会の議決を控えた小沢一郎前幹事長の立候補に、問題はないとの考えを示したものだ。
秘書3人が正式に起訴されていて、未だに国民から説明に納得していないと考えられている小沢一郎が「推定有罪」を理由に民主党代表選挙に立候補するに問題がない? 過去には民主党が刑事事件にすらならなかった松浪健四郎への議員辞職勧告決議採決を要求していたことがありましたが、これは「推定有罪」だったのではないでしょうか? 自民党議員のスキャンダル疑惑は刑事事件でなくても議員辞職を迫り、民主党議員のスキャンダル疑惑は秘書が起訴される事態になっても議員辞職採決はおろか民主党代表&総理大臣になれるなんて、ダブルスタンダードではないでしょうか? 基本的には、秘書が起訴されているなど刑事事件の疑惑が晴れない人間については、一度自身が選挙で当選してみそぎでも受けない限り、首相や党首など政治的要職に就任すること自体が政治倫理に反するでしょう(議員本人が起訴されていれば、選挙で当選しても無罪が確定するまで政治的要職に就任してはいけませんが)。これは自分の政治的立場の有利不利に関わらず、どんな政治家に対しても一貫した対応として行われるべきです。 現在内閣官房副長官である福山哲郎2002年に「政党の自浄作用」について語っていたではないか。 民主党のこのような口先だけの行動は2002年〜2004年に逮捕許諾、議員辞職勧告、偽証罪告発、有罪判決評価と鈴木宗男の国会議員職務を否定していたのに、2009年9月に賄賂罪などで一二審有罪判決を受けた鈴木宗男を「推定無罪」としか言わずに衆議院外務委員長に起用と、民主党鈴木宗男への対応について、国民への納得のいく説明がないまま180度変わったことがきっかけです。もう、こういうことについて民主党が落とし前をつけない限り、国民が民主党に期待をすること自体が間違っていると思います。 まあ、自民党にも、秘書が略式起訴になったことで2009年12月に自民党選対局長を辞任した二階俊博に自身の選挙でのみそぎも済ませていないのに2010年9月の党人事で総務会長など党要職への起用案が出ているくらいだからねえ。もし、二階氏を2010年9月の党人事で総務会長など党要職への起用したら、民主党の小沢代表選立候補について批判がしづらくなっちゃいますが、党の人事権を持つ谷垣禎一総裁はそのことをわかっているんでしょうかねえ・・・。まあ谷垣自民党は賄賂罪の有罪が確定した中村喜四郎衆議院統一会派を結んだくらいだから(これが理由で長谷川大紋参議院議員自民党を離党)、ありえないと言い切れないのは残念なんですがね。 人気ブログランキングへ 鈴木宗男衆議院外務委員長起用問題を見るにはここをクリック