鈴木宗男衆議院外務委員長の実刑確定で横路孝弘衆議院議長の責任問題

鈴木宗男衆議院外務委員長が実刑確定となることで、一二審で実刑判決を受けた刑事被告人であるにも関わらず任命した横路孝弘衆議院議長の責任問題も浮上して来そうです。

自民党副総裁への人事内定の報道がある大島理森は記者会見で次のようなコメントを出しています。
大島理森幹事長記者会見


鈴木宗男衆議院外務委員長の上告棄却という報道があった。この案件について、昨年9月18日に、私自身国対委員長として、横路衆議院議長に厳重に申し入れをした。その内容は、「かつて刑事被告人の立場にある議員が、常任委員長に就任した事例を見当たらない。常任委員長に選任すれば、立法府たる衆議院の良識ある倫理観が問われることになるのではないか。私は、鈴木外務委員長本人の問題よりも、そういう権威ある常任委員長を議長が推薦することについて、横路議長の責任が出てくる可能性がある。議長の権威に関わる問題ではないか」ということを直接議長に申し上げた。したがって、私どもは、議長一任のこの提案に明確に反対した。それでも可決された。したがって、それを受けて議長が常任委員長として鈴木氏を指名された経緯がある。この問題については、議長がこのような状態に対しての責任をどのようにお考えになられるのか。民主党自身がこのようなことを強烈に推薦したことをどう考えるのか。残念ながら、今日は議長は外遊なので、国会の権威を守るために、議長自らのご判断を頂くこと、その責任を厳しく問うていかなければならない。
大島幹事長の話にはうなづけるところはあります(ただ、2003年に農林水産大臣在任中に口利き疑惑があって更迭された過去があるだけに「お前が言うな」とまではいかないが、少し「苦笑い」をしたくはなりますが)。 民主党社民党は疑惑が発覚した鈴木宗男自民党寄りであるから自民党政権を追求して崩壊させて政権を奪取できると2002年に逮捕許諾、議員辞職勧告、偽証罪告発、2004年に有罪判決評価と、鈴木宗男の国会議員職務を否定する行動を取りました。しかし、鈴木宗男佐藤優と組んで外務省暴露話を言ったりしてイメージがよくなったり民主党寄りになったことをいいことに、2009年には野党が反対する中で民主党の意向を受けた横路孝弘は賄賂罪等で一二審実刑判決で上告中の鈴木宗男を国会法で明記されている要職である衆議院外務委員長に任命しました。そのことについて、民主党社民党は全く落とし前をつけないまま最高裁での実刑確定まで来てしまいました。 過去に自民党ロッキード事件で有罪確定になった佐藤孝行を懲役刑の執行猶予が終了してしばらくした後で総務庁長官に起用されたことがありましたが、野党や世間から猛バッシングを受けて、あっという間に更迭されました。いくら自民党が腐っていたとはいえ、さすがに下級審で実刑判決が出ている刑事被告人を国会法で明記している常任委員長に起用したことはありませんでした。ある意味では民主党政権は政権発足直後から自民党以上に腐りきった体質を抱えていたといえるでしょう。そもそも、自民党佐藤孝行に対しては逮捕許諾、議員辞職勧告、偽証罪告発などは国会議員職務するような真似はしていませんでしたしね。

Q:実刑が確定し収監される鈴木宗男氏は、北海道で大きな影響力を持つ人物ですが、秋に行われる北海道5区補欠選挙にはどのような影響があるとお考えですか。

A:政治とカネの問題、北教組の問題、小沢一郎氏の秘書の問題もあり、北海道全体として、この政治とカネの問題について、民主党の議員、与党の議員の問題が多すぎます。私どもはそういう意味で、北海道の主権者の皆様に、党としてはそういう問題もしっかりと考えていただいて、判断していただく選挙になるのではないか。あるいは、そういうことをお考えいただいて、判断していただく選挙になるのではないかと思います。

Q:横路議長は、どのような判断をすべきだとお考えですか。

A:まずは、どういうご判断をされるのか。横路議長が指名したという結果は重いです。それもまったく予想されない状態ではありませんでした。したがって、私どもは、鈴木宗男氏が云々というより、国会の倫理観が問われると、その際に申し上げました。それを押し切って、横路議長が指名したという事実は、国会の倫理観、衆院議長としての倫理観に対してどのような判断をするのか。痛烈に横路議長が、まず自制、自己判断をして自らの処分をしなければならないくらいのものだと思っています。

そういうことがないのであれば、今後、政治とカネの問題における横路議長のご判断を仰ぐ際に、「はい、そうですか」とはいかないくらいに、信頼を傷つけたということを言わなければならないと思います。したがって、現在は国会が開かれていないので、開会までに横路議長の見解を明確にしていただき考えていきたいと思います。

これはわが党だけではありません。その際に反対した政党は自民党公明党共産党です。その後、わが党から離脱した方々もいますが、同じ思いを持っているのではないかと思いますが、その際の国会のあり様をひも解いていただければ、経過は明らかになると思います。

鈴木宗男衆議院外務委員長起用に反対したのは「自民党公明党共産党」とのことですが、鈴木宗男衆議院外務委員長起用に反対したのはみんなの党もいます。議院運営委員会で発言はできなかったけど、みんなの党の国会議員のブログでは反対の意思表示を示していました。 近いうちに自民党の新執行部人事が発表されるそうです。くれぐれも、秘書が略式起訴を受けた二階俊博を要職に起用しないことを望みます。 人気ブログランキングへ 鈴木宗男衆議院外務委員長起用問題を見るにはここをクリック