社民党元代議士の保坂展人のコメントについて

保坂展人のブログ


昨日は鈴木宗男衆議院議員衆議院外務委員長)の事件で最高裁の上告棄却があり、失職・収監が決まった。2002年当時、私は鈴木氏を「疑惑の人」と見て追及してきた立場だったが、その後の『国家の罠』(佐藤優著)に出てくる「国策捜査」をめぐる構図を見て、私たちの追及も、メディアスクラムと呼応した「予断と偏見」を前提にしていたことを強く感じるようになった。昨年の総選挙では、鈴木宗男氏で駅頭応援演説や地元でのシンポジウム出席をお願いした。

刑事被告人である鈴木宗男氏が衆議院外務委員長であることについて、「民主党の見識を疑う」などの一般論のコメントが渦巻いている。しかし、鈴木氏が「日米密約問題」に真っ正面から取り組み、沖縄返還にかかる日米密約の解明に取り組んだ熱意と手腕は正当に評価されるべきだ。

すでに昨年7月に亡くなった元参議院議員佐藤道夫氏は、東京地検特捜部でこの事件の起訴状を書き、西山記者が情報を外務事務官の女性から情報を取得したことを、「女性事務官をホテルに誘って、ひそかに情を通じ、これを利用して」という言葉で「世論の流れ」を変えたと述懐している。本来であれば、国民と沖縄県民を欺いた「日米密約」が問われた事件は、記者と女性事務官のスキャンダルがすべてであるような風潮がつくられた。佐藤元特捜検事の思惑通りに、時の自民党政府も「密約」にはその後も「知らぬ、存ぜぬ」とシラをきり通した。

政権交代後、岡田外務大臣の指示で外務省が調査をした結果、この事件のテーマとなった「日米密約」も本当だったことが判明した。歴代政府は嘘をつき続けてきたことになり、鈴木氏もかってはそのひとりだった自民党支配は、政府・与党と捜査権力が世論操作も平然と行なって、「事実にフタをする」役割をしてきたことも明らかになった。

鈴木氏の事件で最高裁は「上告棄却・収監」という予想された結論を出した。しかし、「国策捜査」が狙えば誰でも陥れることが出来る怖さを持っていることも、よく知られるようになった。政権交代が本物なら、鈴木氏の事件も含めて、「政府・与党」と「捜査権力」の癒着はなかったのか。徹底的に検証するべき時が来ているのではないか。

うーん。鈴木宗男を極悪人扱いしていた当時の野党議員からの反省の弁ともとれるコメントですが・・・。鈴木宗男の有罪の一つになった偽証罪を告発したり、やまりんから500万円の賄賂を受け取った収賄容疑で逮捕許諾をしたり議員辞職勧告決議に賛成したのは社民党なんですがね。鈴木宗男偽証罪は無罪だったのか、偽証罪をしたことが極めて濃厚な人間でも日米密約の解明に取り組んだ熱意と手腕があれば衆議院外務委員長になっても問題はないと考えているのか、まずはっきりさせてほしいですね。

それと、日米密約について、自民党が「事実にフタをする」とシラをきり通したとのことですが、岡田外相が解明した核密約を含めていえば、非自民の細川政権社会党閣僚である上原康助沖縄開発庁長官や久保田真苗経済企画庁長官は1993年の時点で核の持ち込みがないと答弁して調査をしなかったのは、「事実にフタをする」役割をしたことにはなるが、上原大臣と久保田大臣は後に社民党に入党させた今の社民党は果たして彼らに厳しい批判をしているのかねえ? それと西山事件についていえば、取材方法がとても正当とはいえない代物だったこと(このこと自体は西山記者自身も認めている)が批判の対象となったことには変わりはないでしょう。
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