鈴木宗男の実刑確定に関する佐藤正久と岡田克也の問答
○佐藤正久 自由民主党の佐藤正久です。 (中略) 昨日残念ながら民主党政権の信頼を失墜するかのようなことがありました。それは、最高裁による鈴木宗男外務委員長の上告棄却です。これで異議申立てが認められなければ、鈴木委員長は失職、収監されることになると思います。 外務大臣、国権の最高機関の一つである国会の、しかも安全保障の中核をつかさどる外務委員長が犯罪者となり収監される可能性が高まった、これは非常に重たい問題だと思います。国会の権威を辱めることになると思いますが、岡田大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(岡田克也) 鈴木外務委員長は、外務委員長として様々な御尽力をされ、私は非常に立派な外務委員長であったというふうに思っております。しかし、その鈴木議員が、こういった判決が出て、そして収監の可能性が高まったということは非常に残念なことでございます。 ○佐藤正久 これは残念というレベルの問題では私はないと思いますよ。多分前代未聞のことだと思います。これまで委員長が犯罪者となり収監されるということはなかったと思います。しかも、民主党が推して鈴木氏は外務委員長になられたと思います。 岡田外務大臣も、その委員長就任に際して起立採決があったと思いますけれども、そのときも賛成の方に回られましたか。 ○国務大臣(岡田克也) もちろん私も委員長選任に当たって賛成したわけであります。これは党で決めたことでありますので、私はそれに従ったわけで、そのこと自身は当然のこと、党所属議員として行ったというふうに考えております。 ただ、若干私自身葛藤がなかったわけではありません。そういう有罪判決を受ける可能性のある方を国会の公職に就けるということについていろいろな議論があり得るというふうには思います。ただ、最終的にはそれは党の方でお決めになったことで、私としてはそれに従ったということでございます。 ○佐藤正久 今の外務大臣から率直な言葉があったと思いますけれども、党が決めたと。まさに民主党が推したんですよ。自民党はやっぱり鈴木議員の外務委員長就任に反対していました。やっぱり鈴木議員は刑事被告人であり、状況によってはこのような状態になるということは容易に予測できたわけですよ。 鈴木氏を推したのは民主党自身なんですよ。この責任は、私は大きなものがあると思います。まさに数に物を言わせて、強引に無理やり反対を押し切って外務委員長に就任させたと。これは国民を愚弄するような行為であって、また日本の安全保障は大丈夫かと同盟国あるいは友好国からも思われかねない私は信用問題、外交にとっても大きな問題だというふうに思います。 今党の意向と言われましたけれども、岡田外務大臣、これは当時の小沢幹事長の意向が強く働いたんでしょうか。 ○国務大臣(岡田克也) 党の意向というより党で決めたことであります。私は党の議員でありますから、私ももちろんその責任を共有しているわけでございます。 ただ、やはり国会ということを考えたときに、そういった有罪判決を受ける可能性があったということを見たときに、しかも最高裁まで行っていたわけですから、もう少し慎重な判断というのはあり得ただろうと、率直にそう思っております。 ○佐藤正久 ただ、まだ途中で替えるチャンスはあったと思うんですよ。鳩山政権から菅政権に移りますと、そのときに脱小沢路線ということも言われておりました。まさにそのときに、やはり脱小沢というイメージを、さらに今言われたような犯罪者になる可能性がある方をそのまま外務委員長でいいのかという議論があったと思います。 なぜ外務大臣という立場で、いろんなことが鈴木委員長から外務省に対しても批判をされていたと、また犯罪者になる可能性があることも、今外務大臣がおっしゃったように、であれば、まさに菅政権になるときに交代ということもできたと思います。なぜそのタイミングで党の中で議論がなかったのか、また外務大臣として意見具申をされなかったのか、それについて率直なコメントを聞きたいと思います。 ○国務大臣(岡田克也君) これは、特定人の意向で鈴木議員を委員長にしたわけではありません。党としてきちんと決めたことであります。したがって、総理が替わってもそこの基本線は変わらなかったということであります。 ○佐藤正久 やはりこの問題は党の問題というよりも党の体質に私はあるような感じがしますよ。やはりある権力者に対して物が言えなかった、それにみんな倣ってしまった。 |
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