対馬宗家文書

EPA交渉、実務者協議を加速=古文書「閲覧改善を」−竹島議論せず・日韓首脳会談時事通信 2011年10月19日)


野田佳彦首相は19日、ソウルの青瓦台(大統領府)で、韓国の李明博大統領と会談した。両首脳は2004年から中断している経済連携協定(EPA)交渉の早期再開へ、実務者協議を加速させることで合意。北朝鮮の非核化に向け、日韓両国や日米韓3カ国が緊密に連携していくことを確認した。

首相は6月に発効した日韓図書協定に基づき、日本統治時代に朝鮮半島から持ち込まれた古文書1205冊のうち、「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」など5冊を大統領に引き渡した。同時に、首相は「韓国にも日本に関連する文書がある。それに対するアクセスの改善を期待する」と述べ、韓国側に保管されている江戸時代の対馬藩の記録「対馬宗家文書」を念頭に、自由に閲覧できるよう改善を求めた。

日本国内に残る古文書について、首相は「しかるべき時期に適切に引き渡すことで調整したい」と表明し、大統領に早期訪日を招請。これに関し、大統領は会談後の記者会見で「国賓(としての)訪問は適切な時期に行く」と明言を避けた。斎藤勁官房副長官はこの後、「引き渡しと大統領訪日は必ずしもリンクしない」とし、引き渡し期限の12月10日までの訪日にはこだわらない考えを示した。

会談では、大統領が「歴史に起因する問題で日本の積極的な努力が必要だ」と強調。元慰安婦の賠償請求権問題などを念頭に日本側の善処を求めた形だ。首相は「(日韓間には)時折、困難な問題が生じるが、大局的な見地で前進させようという気持ちを首脳同士が持っていれば、乗り越えていける」と語った。首相によると、賠償請求権問題と竹島(韓国名・独島)の領有権問題は議論にならなかった。 

両首脳はまた、「日韓新時代共同研究プロジェクト」による第2期の研究を開始することで合意した。外貨融通(スワップ)協定の限度額を現在の5倍強の700億ドル(約5兆4000億円)まで拡大することも決めた。

両首脳の会談は、9月の国連総会の際にニューヨークで行って以来2回目で、国際会議出席を除いた首相の外国訪問は韓国が初めて。

「朝鮮王朝儀軌」はどうせ渡すなら、「対馬宗家文書」とバーターでやるべきだった。
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