御堂筋イルミネーション

節電でピンチ 橋下前知事肝いり「御堂筋イルミネーション」産経新聞 2011年11月5日)


関西電力が冬の節電要請を表明したことを受け、大阪府橋下徹前知事の肝いりで始まった「御堂筋イルミネーション」(府主催)の開催がピンチに陥っている。年々定着しつつあるイベントだが、節電の“旗振り”役となるべき大阪府が、大規模なイルミネーション企画を開催することについて府内部からも疑問が出始めている。

橋下氏は退任直前、「何とか工夫して開催を」と指示したとされるが、維新は、11月27日の大阪府知事大阪市長のダブル選で、関西電力が独占する電力供給体制の再構築をマニフェストに織り込むなど「電力政策」を掲げて選挙戦に臨む構えで、場合によってはイベントのあり方が“争点”になる可能性もある。

御堂筋イルミネーションは、橋下前知事が掲げた「大阪ミュージアム構想」の目玉企画として、20年度から試験的に開始。21年度からは中之島地区を中心に開かれている「OSAKA光のルネサンス」(同実行委主催)との合同点灯式も行うなど、年々規模を拡充しており、昨年度は1日あたり推定約168万人が来場した人気イベント。

今年度も、府は2億7千万円の予算を計上。12月14日〜来年1月22日まで、淀屋橋から新橋までの御堂筋(1・9キロ)で、過去最多となる約110万個のLED(発光ダイオード)をイチョウ並木計460本に取り付け、光で彩る計画になっている。

LEDを使うため、昨年の実績でも1日あたり313キロワット前後、つまり「一般家庭の1カ月分の消費電力程度」(府担当者)と電気の使用は抑えられているものの、関西電力が節電要請(10%以上)の対象とした12月19日以降、ちょうど開催期間と“激突”する。

橋下前知事は退任直前、府の担当課に「何とか工夫してやってほしい」という意向を伝えたが、府内部からも「期間を短くしたり、中止することも選択肢ではないか」といった声が出始めている。

すでにLEDの取り付けは始まっており、府幹部は「イベントを楽しみにしている府民のためにも、なんとかいい打開策を見つけたい」としている。

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