独立リーグ

重い腰を上げたNPB産経新聞 2011年12月5日)


四国アイランドリーグプラス(IL)の徳島とBC(ベースボール・チャレンジ)リーグの石川との間で、独立リーグ年間王者を決定するグランドチャンピオンシップの第3戦が、徳島で開催された10月29日。JAバンク徳島スタジアムに、意外な人物が姿を見せた。

「まあ、そういうことに、なるのかな…」。

慎重な口調ながら、声の主が“肯定”した質問は「NPB(日本野球機構)と独立リーグの関係を発展させるための、第一歩ですか?」−。セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが、神宮と札幌で開幕したその日に、NPB・下田邦夫事務局長が徳島を訪問した背景には、BCリーグ側が下していた『重大な決断』があった。

10月7日、BCリーグの代表者会議が富山で行われた。NPBと連係、育成の一翼を担うことを目指すのか、MLB(米大リーグ)と組み、育成システムの一環として動くか。その“答え”を来年1年間で決める。6球団の全会一致で『リーグの総意』を確認した。

BCリーグは、すでにMLB5球団から非公式ながら、傘下入りの打診を受けている。6球団のうち、昨年度決算では3球団が初の黒字化。しかし地域によっては、スポンサー獲得が難航、苦しい経営の球団もあり、村山哲二リーグ代表は「このままでは、2、3年でリーグがダメになる」と断言している。

その打開策の一案が、MLBのオファーを受諾することだという。MLB球団とBCリーグ球団が、選手育成契約(PDC=Player Develpment Contract)を締結、アジアの育成拠点としての地位を確立する。この契約では指導者、選手らの人件費を、MLB側が丸抱えして派遣する。

年1億円強の球団運営費で、人件費が半分近くを占める独立リーグ。その大半が浮き「経営はすごく楽になる」と村山代表。地方から世界へという新たな試みは、地域の活性化にもつながる。

下田事務局長と村山代表、四国IL・鍵山誠CEOらも同席した徳島での会談。出席した独立リーグ側の1人は「日本のトップリーグはNPB。MLBよりも優先して考えている。でも、こちらも『待てない』というのは言った」と明かす。

日本球界を揺り動かすのは、独立リーグの本意ではない。しかし、NPBとの協力関係が具体化していない現状では、BCリーグとMLBが手を結ぶ可能性は高い。その危機感が、NPBの重い腰を上げさせたのだ。

色々とあるみたいだね。
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