ネットの口コミ

食べログのやらせ問題 法規制難しいネット口コミ 見極めは利用者自身で産経新聞 2012年1月17日)


やらせ業者による順位操作が明らかになった「食べログ」。ネット上では飲食店選びに限らず一般利用者を装った口コミが実は宣伝だったという事例は多い。消費者庁は調査に乗り出したが、「おいしい」などとする情報は法規制にはなじまない。がっかりしないためには利用者自身が見極めるしかなさそうだ。

食べログの人気ランキングを参考に店舗を選ぶ客も多い。ある店主は「食べログの順位操作に振り回される店舗も大変だが、最大の被害者は何も知らない食べログ利用者だ」。

「やらせで書き込まれた情報が、事実と異なり著しく消費者に誤認を与えるという事実が判明すれば『景品表示法』に照らし厳正に対処する」。消費者庁の福嶋浩彦長官はこう指摘するが「すべてが法律で縛れるかといえばそうでもない。消費者の見る目が大切」とも説明。味覚や好みなどが絡む問題に当局が深入りすることは難しいとの考えをにじませた。


ライターを接待攻勢…ネットで広がる「口コミ」の正体産経新聞 2012年1月30日)


飲食店の人気ランキングサイト「食べログ」で、多くの「やらせ業者」が順位を不当に上げる投稿を請け負っていたことが発覚し、投稿サイトの信頼性が急降下した。いわゆる「口コミ投稿」の内容を「本音の情報」と信頼していた人にとっては、やらせ情報を信用して、本来なら人気のない店に期待を抱いて並んでまで入ったのだから憤懣(ふんまん)やるかたないかもしれない。

しかし、やらせ情報に踊らされた人には申し訳ないが、自業自得と言わざるを得ない。食べログを運営するカカクコムはやらせ業者には「法的措置も視野に厳正に対応する」としており、被害を受けた利用者は経済的損失を被ったことになるが、道に落ちていたメモ用紙に「ここが美味(うま)い」と書いてあったのにどうしてくれるのか、と気色ばんでも、だれも相手にしてくれるはずがない。

インターネットが地球を覆うようになるにつれ、ネットに飛び交う情報の信憑(しんぴょう)性はまちまちで、責任の所在もあいまいなことが周知のはずだった。食べログには多様な価値観の投稿者による口コミがあり、正反対のことも書いてあるほど。口コミ情報の評価をうのみにできないことは多くの人が体験的に知っていることだ。しかし、やらせ投稿発覚のきっかけとなった東京・月島のもんじゃ焼き屋に食べログ利用者は押しかけた。そこには置き去りにされた「自己責任」と、マスコミと対極にある「口コミ情報」が信頼を得ているという事実がある。

テレビのワイドショーで、ある評論家が「口コミ情報がもてはやされるのはマスコミの信頼性がなくなっているからだ」とやっていた。その通りかもしれない。紙媒体やテレビ放送で紹介される飲食店情報には、一部の口コミ情報誌などを除いて、批判などマイナス情報は出てこない。広告主やスポンサーに大なり小なり配慮しなければならないマスコミの体質を感じ取っているからこそ「口コミ情報」をネットの恩恵としてありがたがるのかもしれない。

「口コミ」は本来、人の口を介して信用とともに少しずつ伝わる情報で、伝達の過程で検証されるのが普通だった。しかし、口コミサイトの乱立で、1人の情報が時間と場所を無視して一挙に伝搬されるようになった。明確なやらせだけではない。運営会社の社員による書き込みや、飲食店によるウェブライターの接待漬けなど、線引きが難しい情報もあふれかえっている。情報を取捨選択する責任は情報の受け手に託される時代。複数のサイトや情報誌をみたり、詳しい人に聞いたり、ネットで知人から情報を収集したり…。その手間が「自己責任」にほかならない。

「やらせ業者は永遠に根絶できない」(情報サイト運営会社)といわれる。ネットの情報を信用して不味(まず)い料理を食べる羽目になっても、だれも責任は取ってくれないのだ。

上のような「やらせ」というものの問題点は、組織と金に物を言わせて、少数派を多数派にみせかけるってことだからな。だからといって誰でも書き込める言論の自由があるし、刑事罰に問えるものではないし・・・。
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